同人ゲームに限らず、月を題材にした作品は、
多いですが「そらちゃ」もその中の一つです。
「フユガミ」にも月の幽霊という滅茶苦茶なブツが
登場するので、僕が月にこだわっていると、
誰にでも簡単にわかると思います。
なぜ僕が月を好んで書くのか?
それには明確な理由があったりします。
僕は凄い田舎で育ちました。キタキツネは当然、
ヒグマだって登場してしまうほどの田舎です。
そんな場所ですから、夜になると伸ばした自分の手が
見えないほどの深い黒色に辺りは包まれてしまいます。
しかし、満月の日の夜は別で、世界はぼんやりとした
藍色の光に包み込まれます。
小学生の頃、深夜にふと目覚めた僕は、
窓の向こうの青に気づきました。
そして、ふらふらと夜道を散歩してしまったのです。
「そらちゃ」の克之や雪雄が多分そんな経験をしているように、
僕も月に、おいでおいで、と誘われてしまった経験があるのです。
この時の経験が忘れられなくて、僕は月を書いてしまうのです。
ちなみにその頃、なりたかった職業は宇宙飛行士でした。
ただ考えてみると、僕の一番好きな色は夕焼けが消えた
瞬間、空に広がるとてもとても濃い青色です。
だから、もしかすると月が好きなのではなく、
青色に包まれてしまった世界が、好きなのかもしれません。
次回作があるなら、今度は月ではなく、
夕焼けが消えた瞬間の青色に、こだわってみようと思います。
僕は宇宙飛行士になれませんでした。だけどこれから先、
青に包まれた世界をたくさん表現できるのなら、それは、
宇宙飛行士になるよりも、僕にとっては幸せなことなんだろうと、
月夜の藍色のように、ぼんやりと思っています。
一応、セックス、ファック、デストロイ、と。