いい加減、あきらめて『indigo』を買ってください!(心の底からの素直なお願い)
上の同人ショップさんのバナーをぽちれば、そのページにいけますから!
わかりましたね! 約束ですよ!
十月の半ばくらいまで大きな更ファッキン新はできそうにないので、
それまでシナリオを連載してみようと思った、僕が。僕が?!
公開するあてもなく、ヒマな時にぽちぽち書いていたブツ。
世界観は『Indigo』や『冬は幻の鏡』と一緒だけど、
内容は全然違うし、世界観が一緒なだけでつながりはほぼナシ。
一応『冬は幻の鏡』に登場したモヒカン君が出てきますが、
別に気にしなくてヨシッ!
ゲームにしろよ、って声もあるかもしれねぇが、
こいつは女の子の一人称で脇はほぼ男ッ!
次回作は乙女ゲーにしようよ、とはさすがにメンバーに言えねぇ!
このシナリオが欲しいよぉ、濡れ濡れ~、
という股間ビショビショの乙女ゲーサークルがあったら即あげます!
一応、全年齢な雰囲気ですが……まぁ、いねぇだろうが、
欲しけりゃ、ミクシーでもツイッターでもいいんで連絡ください。
タイトルは『幽霊的瞬間』。
吉野朔実の『恋愛的瞬間』からのパクリです。
幽霊的瞬間 第一話
わ~おっ! ドラマみたいだ!
それが、一年生向けのオリエンテーションを受けるために、
半田芸術大学の校門をくぐった私が最初に思ったことだ。
入学式は昨日、市内の大きなホールで行われたので、今日が初登校日。
私が卒業した南陽高校は、北海道の東側にあって、
寒い年なら入学式の日に平気で雪が降ったりする。
体育館の天井に積もった雪が雪崩れみたいに落ちる音で、
新入生答辞の声がかき消されたりする。
それなのに! それなのに!
なんとここでは、桜吹雪じゃありませんか!
雪じゃない吹雪だなんて!
ゴールデンウィークじゃないのに桜が咲いてるなんて、
とっても嘘っぽい。
こんなに桜が咲いてるのに、
どこからもジンギスカンの匂いがしないのも嘘っぽい。
羊肉の匂いが微かにもしない桜並木なんて始めて見るかも。
花見って言えばジンギスカンで決まりだからね。
はあ~。私、本当に本土の大学に来たんだ! 凄いなぁ!
ここは本土なんだなぁ!
もう、ここは試される北の大地じゃないのだ!
そんなことを考えながら校門をくぐった瞬間、
「どわっ?!」
と私は間抜けな悲鳴をあげてしまった。
物凄い勢いで、凄い笑顔をした大勢の人々に取り囲まれたのだ。
なっ、何事?!
「オチケンドーデスカー!」
「ガッカドコ? ビジュツケイナラ、ココガイイ!」
「ウチノドウコウカイハ、エイゾウカンケイジャナイヒトモ
タクサンイルヨー」
「ケンガクダケデモドーデスカ」
なに? なに? なに? なに?
この人達がサークルの勧誘をしているのだと気づくまで、数秒かかった。
「いえ、いいです、本当にいいです。やめっ、やめてください!」
と小声で言いながら、顔の前で手を振って、前に進む。
周囲を見れば、私と同じ目にあっている一年が無数に!
おー、凄い。本当にこんなことやってんだー!
ドラマみたい! これぞ、大学って感じ。
サークルかぁ……。
入ればいろんな出会いがあったりするんだろうな。
……そっか。何にも考えてなかったけど、
サークルに入る、っていうのもいいかもしれない。
どんなサークルがあるんだろう。
それを確認しようと、ちょっと立ち止まった瞬間、
「どわわっ?!」
私は再び間抜けな悲鳴を上げてしまった。
再び無数の勧誘者につかまってしまったのだ。
ピラニアに襲われた牛の気分。
なんとか向こう岸までたどり着かないのと命はない!
「グループシーシーシーデハー、シンニュウブインヲー」
「ネ、ネ、オワライニキョーミナイ? オワライスキ?」
「ウチノサッカーブハ、ジョシブモアルヨー」
「イップン、イップンデイイカラ、コントヲミテクレナイ?」
「いいです! 見ないです。あとからちゃんと考えますから!」
あっという間に、前後左右から渡された色とりどりのチラシで、
両手がふさがれてしまった。
いったいこの大学にサークルって幾つあるの?
この様子じゃ、百を超えるんじゃないだろうか?
その中から自分に適したサークルを見つけないといけないのか、
そう思うと、それだけで入る気が失せる。
それに、こんなテンションの人々の中で、
自分が生き残っていけると思えない。
「アメフトノマネジャーシマセンカー」
「オッス カラテブハドーデスカー」
「オンガクケイ? ナラウチダヨ!」
ああ、もう!
私はずっとこのまま、この必死に笑顔を浮かべる人々の群れから、
逃れることはできないのだろうか?
大学の校門を突破するだけのがこんなに難しいなんて、
誰も教えてくれなかった!
「きゃっ」
偶然なのか意図的なのかわからないけど、お尻を何者かにさわられた。
もうダメだ!
私はこのまま全身を無数の人々にさわられながら、
朽ちていくしかないのかもしれない。
どうせ死んでしまうなら、
もういっそこの場でうずくまってしまおうかと思った瞬間、
「ファック!」
どっ、怒鳴られた? しかも英語で。
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