また暴れ出しやがったぜ、オレの中の少女が……!
くっ! 静まれ! 耐えろ、オレ……静まれ、少女!
他人にキモいと思われるからッ!
……というわけでね、アレなんですよ。
時々、僕の中の少女が暴れるんですよ。
高校生の頃の僕は完全完璧に男子でしかなかった。
バスケ部で狂ったように運動するもんだから、
いつも腹が減っていて、
一日に五回くらい飯を食うのに必死で、
女が何を考えて、何を思って、どんな行動してるのか、
微塵の興味もなかった。
そんな僕が何気なく手に取ってしまった、
『吉野朔美』をきっかけに、
『高河ゆん』『谷川史子』『長野まゆみ』『氷室冴子』と、
少女度が過剰に高めの作品にどっぷりと!
マジでカルチャーショックだったですよ。
少女ってこんな複雑なこと考えて日々を過ごしてんのかよ、と!
思春期のど真ん中で、
そういうショックをぶち受けてしまったのである!
僕が作る少女キャラは、
それらの作品から影響を受けてるはずなんだけど……。
なんかそこにキレ気味とか下ネタ好きとか、
そういう要素がいつも加わってしまい変なことに……。
いつかちゃんと真正面から書いてみたいですね。
セルロイドのような不透明な不安と、
プレパラートみたいに割れやすい胸と、
檸檬水で、天鵞絨で、瑠璃色で、燐寸で……。
もっと話したいことがあったはずなのに。
いつだって言葉は出てこないんだ。
夜に溶け込んだギンモクセイの香りが私を包み込んでいて、
たったそれだけのことで、口が凍り付いてしまう。
だからってキミが話しちゃダメ。
そんなことをされたら、
キミにとって、私はただ女の子でしかない、ということに、
きっと気づかされてしまうから。
キミの言葉はいつも、私を普通の女の子にしてしまうんだ。
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