少女(渡辺ガールミーツガール僚一)

%E5%A4%9A%E3%80%85%E8%89%AF%E5%A5%BD%E3%81%8D.jpg

また暴れ出しやがったぜ、オレの中の少女が……!
くっ! 静まれ! 耐えろ、オレ……静まれ、少女!
他人にキモいと思われるからッ!

……というわけでね、アレなんですよ。
時々、僕の中の少女が暴れるんですよ。

高校生の頃の僕は完全完璧に男子でしかなかった。
バスケ部で狂ったように運動するもんだから、
いつも腹が減っていて、
一日に五回くらい飯を食うのに必死で、
女が何を考えて、何を思って、どんな行動してるのか、
微塵の興味もなかった。

そんな僕が何気なく手に取ってしまった、
『吉野朔美』をきっかけに、
『高河ゆん』『谷川史子』『長野まゆみ』『氷室冴子』と、
少女度が過剰に高めの作品にどっぷりと!
マジでカルチャーショックだったですよ。
少女ってこんな複雑なこと考えて日々を過ごしてんのかよ、と!
思春期のど真ん中で、
そういうショックをぶち受けてしまったのである!

僕が作る少女キャラは、
それらの作品から影響を受けてるはずなんだけど……。
なんかそこにキレ気味とか下ネタ好きとか、
そういう要素がいつも加わってしまい変なことに……。
いつかちゃんと真正面から書いてみたいですね。
セルロイドのような不透明な不安と、
プレパラートみたいに割れやすい胸と、
檸檬水で、天鵞絨で、瑠璃色で、燐寸で……。
もっと話したいことがあったはずなのに。
いつだって言葉は出てこないんだ。
夜に溶け込んだギンモクセイの香りが私を包み込んでいて、
たったそれだけのことで、口が凍り付いてしまう。
だからってキミが話しちゃダメ。
そんなことをされたら、
キミにとって、私はただ女の子でしかない、ということに、
きっと気づかされてしまうから。
キミの言葉はいつも、私を普通の女の子にしてしまうんだ。

ひとつ前の投稿は「外伝(渡辺ファッキン僚一)」です。

次の投稿は「おそろしい(渡辺ファッキン僚一)」です。